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堤 禎 弁護士

つつみ ただし

浜田総合法律事務所 〒102-0081 東京都千代田区四番町4-9 東越伯鷹ビル3階
注力分野
相続
取扱分野
労働 不動産・建築 企業法務 裁判・法的手続

事例1:遺留分の侵害のある遺言で利益を受ける相手方に対し、遺留分減殺請求のうえ、調停手続を利用して解決を図った事例 相続

依頼内容

相談者は、亡くなった母の遺言が当時、母の面倒を見ていた相談者の兄に有利な内容であり、相談者への遺留分につき、一定の配慮はなされていたものの、それが不十分であったことから、適正な額の請求を望んでいた。

解決方法・結果

遺言そのものは、公正証書遺言として作成され、相談者の兄の意向が強く反映しているものであったが、その無効を主張する原因を主張立証することが困難であったことから、遺留分減殺請求のうえ、速やかに調停手続を申し立て、解決を図るための手段を講じたところ、相手方の譲歩を引き出し、相談者は、相手方から一定額の解決金の支払を受けるに至った。

<堤 禎弁護士からのコメント>

当初、相手方は、一定額の支払いを拒み、ゼロ回答でしたが、調停手続を通して、粘り強く交渉を続け、相談者も納得できる水準(侵害された遺留分に相当する額)の解決金の支払いを受けるに至りました。依頼者は、法的な知識に疎く、亡くなった母の相続問題で十分に対応することができない状態でしたが、遺留分の侵害を是正するとの観点から、依頼者を支えることができたと思います。

事例2:多数の不動産につき、長年にわたって不仲な親族と共有状態であったところ、その解消のために、遺産分割調停及び共有物分割調停を併用して解決した事案 相続

依頼内容

依頼者は、父、祖母、祖父の相続を経て、多数の不動産につき、相手方との間で共有状態となっていたが、依頼者と相手方との関係が良好ではなかったため、その完全な解消を望んでいたが、相手方が非協力的であったことから、その対応に苦慮していた。

解決方法・結果

依頼者と叔母との間における多数の不動産の共有状態を解消するため、遺産分割調停及び共有物分割調停を同時に申し立て、併合して手続を進め、最終的には、依頼者の望む方向で不動産を分割する調停が成立した。

<堤 禎弁護士からのコメント>

相手方が期日ごとに意見を変えるなど、手続の進行は難航を極めましたが、依頼者と協力して粘り強く手続を進め、数年かけて、依頼者と相手方との不動産の共有状態を完全に解消する形での調停成立にこぎつけました。当初、相手方から遺産分割調停を申し立てられたものの、不動産の分割に向けて手続が進むと、突如、相手方は申立てを取り下げる等、最終的な解決が得られるまでの道のりは紆余曲折しましたが、当方から申し立てた調停は絶対に取下げはしないとの決意の下、最後まで依頼者と協力して粘り強く手続を進め、調停の成立にこぎつけることができて良かったと思います。

事例3:共同相続人の一人に有利な内容の公正証書遺言につき、遺言無効を争う姿勢を示しつつも、遺留分減殺請求権を前提として、相手方との間で遺産分割協議により解決を図った事例 相続

依頼内容

共同相続人(兄)の一人が、亡くなった被相続人(父)の生存中、被相続人を他の相続人(妹)から遠ざける時期があり、その時期に兄に有利な内容の遺言が作成された可能性があると想定されたところ、被相続人が亡くなると、有利な内容で相続財産を相続することとなった兄は、被相続人の公正証書遺言を持ち出して、相続財産を全て相続したとの主張をするに至った。

解決方法・結果

被相続人が公正証書遺言を作成した当時、既に認知症の症状が現れており、依頼者とは、当時の診療記録等を基に、遺言無効訴訟を提訴する方策も検討した。もっとも、依頼者としては、相続財産のうち不動産よりも一定の額の預貯金の取得を望み、他方、他方、相手方は、主に不動産の取得を望む状況にあり、かつ両者とも訴訟を避ける経済的合理性に理解を示したことから、相続人全員の同意のもと、遺言によらずに遺産分割協議により、最終的な解決を図ることとした。

<堤 禎弁護士からのコメント>

依頼者にとって、遺言無効訴訟を提訴して訴訟追行するに足る主張立証は可能と思われましたが、遺言無効訴訟に勝訴して初めて、遺産分割協議に移行することを想定すると、解決までの道のりが数年は想定されるところでした。もっとも、依頼者としても、法定相続分に相当する遺産の取得に対する拘りは強くなく、遺言により侵害された遺留分を若干上回る程度の預貯金等を得られるのであれば、特に不動産の取得を望まないとの意向を示したことから、訴訟手続を経ずに、相手方との間で、遺言によらない遺産分割協議により最終的な解決にたどり着きました。依頼者の意向と事案に応じた解決を図ることができたと思います。

事例4:会社役員によるパワハラ案件につき、相談者が労働審判で判断された額の5倍以上の和解金を得て解決することができた事例 労働

依頼内容

相談者は、相談当時、勤務先の会社役員からパワハラを受け、うつ病に罹患し、休職していた状況であった。相談者としては、パワハラによってうつ病に罹患したことも踏まえ、パワハラを行った役員とそれを許した会社に対し、裁判実務に照らして相当高額な慰謝料請求をすることを希望していた。

解決方法・結果

当職は、相談者の意向も踏まえ、パワハラを行った役員及びそれを放置していた会社に対し、慰謝料請求の内容証明郵便を送付し、その後、会社側代理人弁護士と慰謝料請求の交渉を行った。当初、会社側としては、裁判実務に比して高額となる慰謝料請求の支払を拒み、紛争解決の場が任意交渉から労働審判、さらには訴訟へと移行した。その後、訴訟で本格的に争う前の段階で、最終的には会社側が和解金として労働審判で判断された額の5倍以上の金額を支払うことに応じたことから、訴訟外での和解により、本件紛争が解決することとなった。

<堤 禎弁護士からのコメント>

本件では、最終的には、相談者が裁判実務に比して高額の和解金を得て解決することができましたが、相談を受けてから解決するまで1年ほどの期間を要しました。その過程において、相談者は、パワハラを受けた役員の在職する会社を退職し、再就職を図るなどしましたが、会社側との紛争を継続する相談者の根底には、パワハラを行った役員とそれを放置した会社を許さないとの気持ちが強くありました。当職は、相談者の意向を踏まえつつ、会社側との任意交渉、又は法的闘争を通じて、最終的には相談者の納得のできる金額での和解による解決まで相談者を支えることができたと思います。なお、本件の和解金額は、その背景に様々な要因、特殊な事情があったことは否定できず、一般論として、パワハラ事案において高額な和解金を取得できるという趣旨でご紹介したものではありません。

事例5:未払賃金請求の事案に関し、労働審判により、相談者が未払賃金元金を上回る和解金額を得る形で解決した事例 労働

依頼内容

相談者は、退職した会社社長が未払賃金の問題を放置する傾向にあったことから、労働基準監督署に相談し、その後、さらに法的手段検討のために、弁護士に相談することとした。

解決方法・結果

相談者は、弁護士と相談しながら、会社社長と未払賃金の交渉を続けていたが、会社社長が相談者の意向を反映させた解決を図ろうとしなかったことから、法的手段を講じることを決断し、当職に事件を依頼し、法的手段としては、一般的に解決期間が訴訟よりも早い労働審判を選択することとなった。労働審判手続は、1回の期日で終了し、相談者は、未払賃金元金を上回る和解金を得る形で本件は終了した。

<堤 禎弁護士からのコメント>

相談者は、未払賃金に関し、元金のほか、遅延損害金の支払いを得ることを強く要望していました。労働審判を経て、会社側と合意した和解金額は、相談者が希望した遅延損害金全額を満たすものではありませんでしたが、未払賃金元金を上回る金額であり、和解では遅延損害金を全額カットした額で妥結することが多いという裁判実務に照らせば、相談者にとって有利な方向で解決できたものと思います。また、訴訟を選択した場合、法的な権利としては、遅延損害金全額の支払を認める内容の判決を得ることができたものと思われますが、会社側の事情を踏まえると、実際の回収が困難になったと思われます。そこで、労働審判手続を選択し、より早期に任意の支払を得られる形で会社側と合意することができたことは、相談者にとっても望ましい解決につながったものと思います。

事例6:有期雇用契約の途中で、即日解雇された相談者からの依頼を受け、労働審判手続を利用して解決した事例 労働

依頼内容

相談者は、有期雇用契約の途中で即日解雇され、復職よりは、金銭的な解決を図ることを望んでいた。

解決方法・結果

相談者を解雇した相手方の解雇理由は、相談者に責任転嫁するものであり、実際には解雇理由がないに等しく、相手方が解雇権を濫用したものであると思料された。そこで、まず相手方と金銭的解決に向けた交渉を試みたものの、相手方がこれを拒否したことから、労働審判手続を利用して解決を図ることとした。

<堤 禎弁護士からのコメント>

労働審判手続では、実質的には相手方が解雇権を濫用した解雇無効の事案であることを前提に、調停手続による解決が図られ、依頼者の納得できる金額の解決金が労働審判委員会から提示され、最終的には相手方もこれに応じたことから、審判に至ることなく、調停成立により解決しました。依頼者が、泣き寝入りせずに、闘ってよかったと言ってくださる形で事件を終了させることができて良かったと思います。

事例7:中古マンション購入にあたり、仲介業者の説明義務違反が問題となり、相談者が仲介手数料全額の返還を受けるに至った事例 不動産・建築

依頼内容

相談者は、中古マンション(上層の階)を購入するにあたり、仲介業者から、「当該マンションの前に建築されている別のマンション屋上は購入するマンション上層の階の高さに届かないので、その部屋からの展望を妨げるものではない。」との説明を受けた。ところが、実際には、別のマンション屋上に設置された設備により、購入したマンション一室からの展望が妨げられる状況となってしまった。しかも、相談者が当職の下を訪れた時点では、仲介業者は、そのような説明をしたこと自体、認めようとしないとのことであった。

解決方法・結果

当職は、相談者に対し、本件では仲介業者の説明義務違反が問題となり得ることを指摘して、仲介業者への対応をアドバイスし、仲介業者が非を認めないのであれば、訴訟提起も辞さないとの相談者の意向を踏まえて、準備を進めていた。そうしたところ、一転して仲介業者が非を認め、相談者に対し、仲介手数料全額を相談者に返還するとの申入れを行い、相談者も当該内容で仲介業者との和解することに応じることとした。

<堤 禎弁護士からのコメント>

本件では、訴訟提起前に、一転して仲介業者が非を認め、相談者が仲介業者の申入れ内容に納得したので、訴訟提起前に解決に至りました。仲介業者が一転して非を認め、相談者に和解を申入れた背景には、相談者が、弁護士に相談しながら対応したことにより、仲介業者としても、非を認めない場合に訴訟提起等、さらなる法的手段を講じられる結果となることを避けたものと思われます。仮に、訴訟提起となれば、相談者に有利な結果で解決するとしても、相談者も相応の費用と時間を要することとなったと思われるので、相談者に対するアドバイスにより、訴訟提起に至らずに、相談者が納得する形で解決できてよかったと思います。

事例8:賃貸物件の所有者変更に伴い、賃貸物件の明渡しを求められた相談者が、当初の提示額から大幅に上乗せされた立退き料の支払を得ることができた事例 不動産・建築

依頼内容

相談者は、会社の役員であるところ、経営する会社が賃借する物件の所有者が変更した後、所有者である賃貸人側の代理人弁護士から内容証明郵便によって、賃貸物件の明渡しを求められたとのことであった。

解決方法・結果

当職は、相談者に対し、賃貸人側からの内容証明郵便に記載されていた理由では、賃貸人が賃借人(相談者)に対して明渡しを求めるにあたって必要となる正当な事由を十分には満たさないこと、またその補完として「立退き料」の支払が必要になるであろうこと等を説明し、本件では法的な観点からすれば相談者の方が有利な立場にあるといえることをアドバイスした。そうしたところ、賃貸人側は、相談者が弁護士と相談したうえで対応したことを受けて、従前提示していた立退き料の大幅な増額を行い、相談者の満足する内容での立退料の支払に応じる姿勢を示すこととなった。その後、手続としては、賃貸人と賃借人(相談者)との間で合意した内容につき、訴え提起前の和解の手続により和解を成立させ、相談者は、明渡期限内に賃貸物件から退去するとともに、十分な立退き料の支払を得るに至った。

<堤 禎弁護士からのコメント>

当初、賃貸人が賃借人(相談者)に対して明渡しを求める内容証明郵便の内容は、法的な専門家の観点からすれば、明渡しを求めるにあたって必要となる正当な事由が十分といえるものではないにもかかわらず、明渡しに向けて強気の姿勢を示すものであり、他方、相談者も法的な知識が十分ではなかったことから、賃貸人側の主張する内容の当否を判断しかねていました。そこで、当職は、相談者に対し、法的な理論武装とともに、賃貸人側との交渉において、賃貸人側の一方的な理由で賃借人(相談者)に明渡しを求めることができず、むしろ相談者の方が相応な立退き料の支払を得るためにも、強気な姿勢で交渉に臨むことができる旨をアドバイスしました。仮に、相談者が弁護士に相談せずに、法的な理論武装なく、賃貸人側と交渉をしていたのであれば、賃貸人側から立退き料の支払につき大幅な譲歩は得られなかったものと思われます。本件では、相談者が早期に弁護士に相談して対応したことから、賃貸人側が大幅な譲歩をし、相談者にとっても納得のできる形で本件事案の解決に至ったので、当職としても良い解決ができたと思っています。

事例9:痴漢で逮捕勾留されたが、準抗告が認められて釈放され、その後不起訴となった事例 盗撮 加害者 犯罪・刑事事件

依頼内容

依頼者は、痴漢の容疑で逮捕勾留された状況にあり、当職が当番弁護で接見した際、被疑事実を否認し、また依頼者の勤務する会社や、幼い子どもを抱える依頼者家族の状況等から、速やかな身体解放を望んでいた。

解決方法・結果

当職は、依頼者から私選弁護の依頼を受け、速やかに、依頼者の身体解放に向けて、依頼者の家族や就業先の上司と連絡を取り、準備を整えて、準抗告を申し立てたところ、その主張が認められ、依頼者の勾留請求が却下され、身体解放につながった。その後、依頼者は、在宅での取調べを受けることとなったが、最終的には、不起訴となった。


否認事件ではありましたが、身体拘束の必要性の観点からすれば、在宅でも十分に捜査が可能と思われ、他方、依頼者の身体拘束が長期間続けば、依頼者の勤務先や家族生活に支障が生じる状況でした。準抗告では、依頼者家族や就業先と連絡を取り、その協力を得たうえで、これらの事実をきちんと盛り込んで主張したことが、被疑者の身体解放につながったものと思います。依頼者は、逮捕当初から一貫して被疑事実を否認しており、被疑者弁護活動を通して、依頼者を支えたことが、最終的には不起訴処分につながったものと思います。

事例10:覚せい剤使用の疑いで逮捕勾留され、尿検査で陽性反応が出たが、最終的には処分保留により釈放された事例 犯罪・刑事事件

依頼内容

依頼者は、当番弁護で接見した際、覚せい剤の自己使用につき、陽性反応が出ていたものの、一貫して否認し、当職に対し、国選弁護人として被疑者弁護活動を要望した。

解決方法・結果

依頼者からの要望を踏まえ、当職は、国選で被疑者弁護活動を行った(準抗告の申立ては却下された。)が、その中心は、依頼者との度重なる接見を通して、一貫して否認を貫く依頼者の姿勢を支えることであった。その後、依頼者の言い分にも一理あるためか、延長後の勾留期間の満期となり、検察官は、起訴することなく、依頼者を処分保留により釈放するに至った。


依頼者は、当初から被疑事実を一貫して否認し、その言い分にも、見方によっては一理ある状況でした。しかしながら、勾留期間が長くなると、依頼者も心細くなるのか、同じ警察署に留置されている他の被疑者からの助言などにより、当初の姿勢を堅持することが正しい選択といえるのか(身に覚えがなくても、被疑事実を認めた方が、早期の身体解放につながるのではないか)などと迷いが生じることがあります。当職は、嘘は決して言わないことを前提に、依頼者にとって、事実は一つしかない以上、その事実の主張を最後まで貫くように、接見を通して、依頼者を支えるように心がけました。その結果、検察官も依頼者の言い分に一理あると考えたのか、尿検査で陽性反応が出ていたものの、起訴することなく、処分保留により釈放するに至ったものと思います。

事例11:酩酊状態で駆け付けた警察官を殴り、第一審では公務執行妨害等の有罪判決を受けたが、控訴審で逆転無罪となった事例 犯罪・刑事事件

依頼内容

控訴審での国選弁護人として訴訟記録や相談者との連絡を通して、相談者の言い分を踏まえ、原判決の認定の齟齬や、刑事裁判の鉄則を内容とする控訴趣意書を作成し、控訴審でも、無罪主張を行うこととした。

解決方法・結果

控訴審では、相談者の取調べが再度行われたほか、最終的な控訴審判決の内容でも、控訴理由書で指摘した理由が認められるなど、その主張が認められ、無罪判決が下されるに至った。なお、その後、相談者は、無罪判決により、刑事補償及び費用補償を受けた。


原審での弁護人の先生の活動が非常に大きい事案であり、それだけに原判決が相談者の病的酩酊を認めながらも、無罪判決を下さなかったことが誠に残念な内容でした。相談者の言い分を踏まえ、同種の判例等の調査や、原審の記録を精査して原判決の認定の誤りを見出すなどして、相応の説得力のある控訴趣意書を作成することができたことが、相談者の無罪判決につながったものと思います。

事例12:盗難通帳による不正払戻しの被害につき、訴訟の結果、金融機関から被害相当額の補てんを受けるに至った事例

依頼内容

相談者は、自宅に預金の通帳と印鑑を別々に保管していたが、当時、自宅に出入りしていた親族が当該通帳等を無断で持ち出し、不正に払戻しをしたので、その被害相当額を取り戻したいとのことであった。不正に払い戻した親族は、その事実を認めることが想定しがたく、また資力も充分とはいえない状況であった。他方、金融機関の約款には、盗難通帳等による不正払戻しの対応として、被害相当額の補てんを行う旨の規定があったが、金融機関は、本件では要件を満たさないとして、任意の対応が期待できない状況であった。

解決方法・結果

相談者に無断で預金を引き下ろした親族と、それを許した金融機関をそれぞれ被告として、訴えを提起し、1年間程度の訴訟追行の結果、当該親族に対する請求については、全面勝訴し、他方、金融機関に対する預金払戻請求については抗弁が認められて敗訴したが、損害補てん請求については勝訴することなった。その後、金融機関は、一旦、自己の敗訴部分につき控訴したものの、直ぐに控訴を取り下げて、不正に払い戻された預金相当額を支払うことに応じた。


本件では、相談者が不正な払戻しによる被害を回復するには、預金の無断で引き下ろした親族よりも、金融機関から盗難通帳等による不正払戻しの場合の被害相当額の補てんを受けた方が確実であると思われました。ところが、金融機関は、当該規定を杓子定規に適用して、任意には当該規定の適用による被害相当額の補てんに難色を示しました。訴訟では、当該規定の適用があることを主張立証し、裁判所もこれを認める判決を下したので、最終的には、金融機関も被害相当額の補てんに応じることとなりました。請求の選択、訴訟追行等の弁護士活動の結果、相談者が最終的には実質的な被害回復を得るに至ったので、当職としても満足の行く結果となりました。

事例13:ゴルフ会員権の償還請求につき、訴訟を経て、一括返還を受けるに至った事例 犯罪・刑事事件

依頼内容

相談者は、ゴルフ会員権につき、期限が到来したとして償還請求を行ったが、ゴルフ会社からは10年以上の期間に渡る分割返済案を示され、ゴルフ会社との交渉が進展しない状況であった。

解決方法・結果

当職は、相談者から受任し、ゴルフ会社と交渉したが、ゴルフ会社は、相談者の要望する一括又はそれに近い分割払いに応じなかったので、速やかに訴訟提起することとした。その結果、ゴルフ会社は、一括の支払に応じる形で訴訟上の和解に応じることとなり、相談者は、当初の要望どおり、一括の返済を受けることとなった。


ゴルフ会社は、期限の到来したゴルフ会員権の償還には、任意に応じない姿勢を堅持していました。このような場合でも、訴訟ではゴルフ会社に勝ち目がない事案でしたので、ゴルフ会社としても判決を経て、強制執行を免れるために、訴訟上の和解に応じることになったと思われます。任意交渉では、ゴルフ会社が長期間にわたる分割案を提示し、一括請求に応じない姿勢を示す場合には、速やかに訴訟提起し、当方の姿勢として断固として分割案には応じない旨を示すことが、結果として速やかな回収につながったものと思います。

事例14:任意に賃料を支払わないテナントに対し、現金を仮差押えすることで、その後、当該テナントが任意の賃料の支払いに応じるようになった事例

依頼内容

相談者は、債権者として、債務者のテナント(第三債務者)に対する賃料債権を差し押さえたが、当該テナントは、相談者からの賃料支払請求に応じる姿勢を示さなかった。

解決方法・結果

賃料債権を差し押さえた相談者としては、第三債務者である当該テナントが任意に支払わない場合、取立訴訟を提起して、判決を得て、強制執行を行うということになろうが、その前段階として、現金を仮差押えをすることで、当該テナントに対し、賃料支払に向けての圧力をかけることとなった。そして、現金の仮差押えが奏功したところ、その後、当該テナントは、任意に差し押さえた賃料の支払いに応じることとなった。


この事例において、当初、任意の支払いに応じなかったテナントは、相談者が仮差押えという法的手段を講じることで、一転して、任意の支払いに応じるようになりました。その背景には、相談者が、当該テナントに対し、仮差押えを通じて、債権回収に対する本気の姿勢を示したことがあると思います。仮差押えは、本来、その後の訴訟、強制執行を見据えた法的手段ですが、使い方次第では、訴訟提起前に、債権回収につなげることもできる手段といえる一例だと思います。