弁護士コラム

2通の遺言書

[投稿日] 2018年04月18日 [最終更新日] 2018年04月18日
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吉川 法生 弁護士 弁護士法人大手前法律事務所

【税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士と連携】解決内容を納得していただけるようなご説明と打ち合わせを心がけています

質問: 

数ヶ月前に父が亡くなり、父の残した公正証書遺言により遺産の分割をしました。

ところが、先日、公正証書遺言より後の日付に作成された自筆の遺言が出てきました。

どうしたらいいのでしょうか。

 

回答: 

日付の異なる複数の遺言が存在し、遺言の内容が食い違う場合、食い違った部分については、その抵触部分は後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます(民法第1023条)。

 これは、遺言というのは、人の最終の意思を尊重しようとするものですから、遺言の効力が生じないうちは(すなわち、生存している限りは)、その意思を撤回することは原則として自由であるとされているからです。民法では、この自由を確保するために、遺言の撤回権を放棄することができないとも規定されています(民法第1026条)。

このように、遺言は死亡に近い後の方の遺言を優先することとなっています。

 

遺言には、自筆証書・公正証書・秘密証書などの方式がありますが、方式による効力の優劣はありません。

 従いまして、本件のように、前の遺言が公正証書、後の遺言が自筆証書である場合も、その内容において抵触する部分があれば、後の自筆証書遺言が優先します。

 

 もっとも、前後2通の遺言が矛盾せず両立する時は、どちらの遺言も有効なものとして扱うことになります。

 例えば、1通目の遺言で「土地・建物は妻に相続させる」、2通目の遺言で「預貯金は長男に相続させる。有価証券は長女に相続させる」となっているような場合です。また、遺言で何も書かれていない場合は、相続人間で遺産分割の協議をすることとなります。

 

 さて、本問の場合ですが、2通の遺言がその内容において抵触していなければ、その部分は各々の遺言のとおりに、抵触している部分は、新しい自筆証書遺言に従った遺産分割をし直さなければならないということになります。もっとも、相続人全員の合意があれば、遺言と異なる分割をすることも可能ですが、合意ができなければ、新しい方の遺言に従った分割ということになります。

吉川 法生 弁護士

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