ネットオークション

危なくないネットオークションとは?問題回避のための心得
ネットにはさまざまな利用方法がありますが、中でもネットオークションを利用する人はとても多いです。ネットオークションは、個人でも簡単に商品を出品できますし、気に入ったものがあったら安く手に入れることもできるので、便利で人気があります。
しかし、ネットオークションは悪用されることもあり、いろいろな詐欺が横行しているので、利用の際には注意が必要です。トラブルに遭ってしまったら、どのように対処をするかも知っておく必要があります。そこで今回は、ネットオークション利用の際に、問題を回避する方法をご紹介します。
インターネットオークションでトラブルに遭わない方法を考える前提として、まずはインターネットオークションがどのようなルールで行われるものなのか、ご説明します。
インターネットオークションとは、インターネットを利用した競りのことです。
基本的には、出品者が売りたい商品を出品します。このとき、最低入札価格と入札期間が決められます。
すると、これをみて商品購入を希望する人が現れます。購入希望者は、入札期間が開始してから、金額を指定して入札をします。入札価格は、出品者が指定した最低入札価格よりも高い金額である必要があります。その後新しい購入希望者が現れたら、さらに高い価格で入札をします。このように、入札を繰り返して、最終的に最も高額な価格で入札した人が商品を落札して、その入札価格で商品を購入することができます。
いったん入札してしまうと、キャンセルができないことが普通です。
インターネットオークションと似たもので、フリマアプリがあります。
フリマアプリでも、出品者が、売りたい商品に価格をつけて出品します。スマホアプリで簡単に写真撮影をして出品手続きができるので、便利で利用しやすく、利用者が急増しています。
出品された商品を見た購入希望者が現れたら、出品者と購入希望者が商品についての価格交渉をして、合意ができたらその価格で商品を売却する仕組みになっています。
フリマアプリは、入札や落札の手続きをとらない点で、ネットオークションとは異なりますが、ネットオークションと同じようにトラブルが起こることはあります。
インターネットオークションはとても便利ですが、反面詐欺行為もたくさん行われていますので、オークション詐欺に遭わないための対処方法が重要です。
まずは、オークション詐欺とはどのようなもので、具体的にはどのような手口があるのかを抑えておきましょう。
オークション詐欺とは、インターネットオークションを利用した詐欺です。出品者側で詐欺をすることもありますし、購入者側で詐欺をすることもあります。
オークション詐欺の手口として、詐欺業者が出品者側になる場合、商品の代金を受け取りながら、商品を送らないパターンがあります。落札者は、支払った費用をだまし取られてしまいます。
詐欺業者が購入者側になる場合には、商品を受け取ったのに代金を支払わないパターンがあり、出品者は商品をだまし取られてしまうことになります。
さらに、詐欺業者が出品者側になって、偽物を送ってくる手口もあります。
たとえばブランド品などを、最低入札価格1円などの格安で出品して、落札者に代金を振り込ませて偽物を送ってくるのです。本物だと思って購入した落札者はやはりお金をだまし取られることになります。訴えると、「偽とは気づかなかった」などと言い逃れをされたりします。出品したものとは全く別の商品を送ってくるタイプの詐欺もあります。
詐欺業者が出品をした場合に、オークションで次点になった場合に出品者の名をかたって連絡してきて取引を持ちかけてきて、お金をだまし取ろうとする「次点詐欺」の手口もあります。
詐欺業者が購入者として商品を落札して、送られてきた商品に対してクレームを付けて返品を主張する「返品、すりかえ詐欺」もあります。この場合、出品者が返品に応じると、詐欺業者はまったく別のもの送り返したり、状態の悪い同じ商品とすりかえて返品したりするので、出品者はもともとの良い商品をだまし取られてしまいます。
出品者・購入者の立場で気をつけることインターネットオークションは、便利な反面詐欺が行われやすい危険性があります。自分が出品者の立場でも購入者の立場でも、詐欺被害に遭う可能性があるので、被害に遭わないように充分注意が必要です。
まず、商品を購入する場合には、出品者の過去の取引履歴や評価をチェックします。過去にたくさんの取引をしていて、評価も高い人と取引をすれば、比較的安全です。
また、中古品を中心に取り扱っている業者と取引する場合には、古物商の許可を持っているかどうかをチェックしましょう。
出品する場合には、返品、すり替え詐欺に遭わないために、商品を発送する前には、商品の写真や動画を撮影して、その商品が正常であることの証拠を残しましょう。このとき商品の製造番号や型番などがあれば写真やメモをとるなどして残し、相手には開示しないようにします。
また、きちんとした商品を発送した場合には、安易に返品を受け付けないことも大切です。
オークションサイトが提供している補償制度を利用することもリスクの軽減のために重要です。
補償制度については、注意すべき点があります。オークションサイトでは、サイトを介さずに相手と直接取引をすると補償の対象になりません。そこで、次点詐欺などの場合には、相手にお金をだまし取られてもオークションサイトからの補償は受けられないのです。そこで、どのような理由であっても、直接取引を持ちかけられた場合には怪しいと考えた方が良いでしょう。
相手の口座が出品者の名義と異なる場合にも注意が必要です。オークションサイトが、きちんと本人名義であることを確認していることを確認してからサイト利用しましょう。
インターネットオークションを利用していると、注意していてもトラブルに遭ってしまうことがあります。この場合にどのように対処すべきかについて、解説します。
まずは、どのようなトラブルに対しても言えることですが、取引の時点でトラブルに備えておくことが必要です。オークションサイトを利用する場合には、出品者のIDやユーザー名、会員番号を控えましょう。
オークションのページのURLとオークション番号、落札した後の相手とのやり取り内容もすべて保管しておきます。
相手方が商品をなかなか発送してくれなかったり(履行遅滞)不完全なものを送付してきたりした場合(不完全履行)に備え、連絡先を確認しておくことも重要です。やり取りする際には、相手の氏名や住所なども聞き出しておくと安心です。また、同じく履行遅滞や不完全履行があった場合にこちらはきちんと代金支払いをしていることを証明する必要があるので、入金をしたら、そのときの振込証もとっておきましょう。これらの証拠を持っていると、トラブルが起こったときに対処がしやすくなります。
相手が商品を送らなかったり代金を支払わかったりした状態のまま、連絡がとれなくなったら、まずは相手に連絡を試みてみましょう。数日間連絡がないケースであっても、何らかの事情がある場合があり、連絡がつくこともあるからです。
いよいよ連絡がない場合や詐欺に遭ってしまったら可能性が出てきたら、相手に内容証明郵便で請求書を送りましょう。自分が出品者側なら代金支払いを求めますし、自分が購入者側なら商品の送付を要求するか、契約を解除して支払った代金の返還を求めます。
このとき、事前に相手から氏名や住所を聞いておいたことが役立ちます。
内容証明郵便を送付しても相手が無視する場合には、裁判所で少額訴訟などを利用することによって、法的に代金支払い請求などをすることができます。
商品を購入した場合には、契約を解除して代金の不当利得返還請求をすると良いでしょう。
詐欺に遭った場合には、警察や弁護士に相談することもできます。
警察や弁護士に相談する際も、事前にとっておいた証拠が役立ちます。
具体的には、相手のID、ユーザー名、会員番号などの情報や、問題になっているオークション番号やオークションのページのURL、そのページを印刷した紙面、相手とのメールのやり取りをプリントアウトした紙面、代金を送金した相手の銀行名と支店名、口座名義と口座番号、これまでの交渉経過などをまとめて持っていきましょう。
今回は、インターネットオークションでトラブルを避ける方法について解説しました。とても便利で利用者も多いインターネットオークションですが、トラブルも多いです。トラブルに遭わないためには、事前に相手の情報を得たり、相手の評価を確認したりしておくとリスクを減らすことができます。実際にトラブルに遭ってしまったら、内容証明郵便で請求書を送ったり、警察や弁護士に対処を相談したりしましょう。
今回の記事を参考にして、上手にインターネットオークションを利用しましょう。
ネットオークションを得意としている弁護士
佐藤 智宏 弁護士 埼玉県
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